眠たい病気⑦

睡眠時無呼吸症候群ではないと太鼓判を押されてしまった。

かといってこのまま死ぬまで眠たい日々を過ごすのは耐えられないと思い、詳しい検査のできる病院を紹介してもらうことにした。

 

検査の予約をしようとすると、何と4ヶ月待ちとか。

この手の特殊な検査はできる病院が少ないと聞いていたが、本当なんだな。

試験前に眠気に対する薬を処方してもらうどころか、検査もできないということか。

仕方がない。

ひとまず予約だけは済ませて、試験は自力で体調を整えて頑張るしかない。

 

試験当日。

前日しっかり睡眠を取ったし、試験前に少しだけ食べたので満腹ではなく程よい具合。

後は何とか眠らずに2時間問題が解けますようにと、祈るような気持ちで試験に挑んだ。

 

恐れていた眠気は、やって来なかった。

よかった。

あとは自分が正解を書けたかどうか。

とにかく1年間の苦しかった試験勉強は終わった。

覚えたり理解したりが苦しかったのではなく、眠気と闘うのが1番、本当に辛かった。

いや、「眠気と闘う」なんて簡単な言葉で片付けられないくらいしんどかった。

 

自分が眠たい人だったと再認識させられて、恐らく普通の人なら頑張れば何とか頑張れるであろう眠気に打ち勝つことができない情けなさ。

学習室でいつも寝てしまい、「周囲からきっと『またあの人寝てるよ』と思われているんじゃないか」と勝手にコソコソと後ろめたい気持ちになる。

席に座ってものの5分で寝てしまいほとんど勉強出来ないことがあって「自分は何をやっているのか」と自分に対して腹が立つやら情けないやら、それで不機嫌になって周囲に冷たく当たってしまって益々自己嫌悪に陥ったりして、本当に自分が嫌になった。

 

通院と薬を止めてから、どうしても起きていなければいけない状況がほとんどなかったので、眠いのがこんなに辛かったんだと改めて思い知らされた。

いや、かつての自分もそんな感じで精神的に挫け、追い詰められてどうにも行き詰まった為に勇気を出して病院に行ったんだっけ。

 

試験は終わったけど、まだこれからも何か勉強はしていきたいし本も読みたい。

映画館やお笑いライブ中にいつの間にか寝ているのも、後から自責の念しか湧いてこないし周囲の目も気になる。

原因がもし分かって治療法があるのだとすればやっぱり治療してほしいと、強く思った。