眠たい病気⑥

仕事が終わって図書館に篭れるのは平日でせいぜい1〜2時間。

帰宅したらご飯を作ったりあれやこれやで落ち着いて勉強なんてできないから、この時間は貴重だ。

 

なのに、図書館でテキストを読んでいると気がついたら目をつぶって寝ている。

眠気覚ましのタブレットやガムや飴を口にしても、口に入れたまま知らないうちに寝ている。

2時間学習室で過ごしたとして、実質集中できたのはせいぜいその半分くらいの時間か。

 

こんなことでは埒があかない。

通信教育の教材を取り寄せ、スマホから音声で講義を聞けるようにして仕事中に聞けそうな時はイヤホンで勉強した。

車の運転中も、大好きな音楽を封じてひたすら講義を聞いた。

 

試験が数ヶ月後に迫ってきたので、過去問を本番の試験形式で解いてみた。

すると、試験中どうしても寝てしまう時間があり得点を逃す。見直しする時間がなくなる。

ひどいと試験時間2時間のうち40分くらい寝ていたり、試験開始5分でいつの間にか目を閉じていたり、ウトウトと眠気と闘いながら時間だけが無駄に過ぎていく有様。

 

これはまずい。

本当にまずい。

問題を読んでいるはずが、気づいたら目を閉じている。

誰か何とかして!

 

藁にもすがる思いで、近所の耳鼻科へ行き、睡眠時無呼吸症候群の検査の申し込みをした。

宅配で、自宅でできる検査器が送られてきて2日間測定。

 

後日、耳鼻科へ結果を聞きに行く。

「異常ないです。呼吸が止まる回数も不整脈も正常範囲内です」

普通なら、患者はホッとするのだろうか。

「じゃあ、この眠いのは一体どうしたらいいんでしょうか?」

半分泣きそうだった。

睡眠時無呼吸症候群でしたと言われた方がまだマシだった。