【レビュー】ワイヤレスイヤホン・ソニーのWF-1000XM3とAirPods Proを比べてみた。
2020年4月、ワイヤレスイヤホンAir Pods Proを買った。
私にとって初めてのワイヤレスイヤホン。
口コミではとても良い印象で、低評価を見にいくと「ノイズキャンセリングの効きが悪い」が主という感じだった。
使ってみた感想は以前はてなブログにも書いたけど、
「まあまあ良い。でも、私がメインで使いたかった音楽アプリAWAを聴くと何故かブチブチと異音が入る。とてもじゃないが聴いてられない。何とかして!」
だった。
iPhoneだからと安易にAir pods proにせず、同列比較されることの多いソニーのWF-1000XM3を購入すればよかった…。と、後悔すること5ヶ月。
ついに、ソニーのヤツを買った。
嬉しくて小躍りした。
使い心地は。
結論からいうと、商品自体がどうやら初期不良の模様で返品することになった。
そして、私の耳にはソニーは合わなかった。
【イヤホンを外しても音楽(動画も)が止まらない】(不具合?)
私は基本的に片耳のみで使用するのだが、音楽や動画を流している最中にイヤホンを外しても音楽も動画も止まらないという事態が最初から発生していた。
ソニーの「Headphones」アプリで「ヘッドホンを外したら音楽を一時停止」をオンにしていても、だ。
一度、「ヘッドホンを外したら音楽を一時停止」をオフにしてもう一回オンにしてみた→止まらない。
イヤホンをリセットしてみた→止まらない。
イヤホンを初期化してみた→止まらない。
ちなみに、リセットする前はイヤホンを本体に戻してもそのまま音楽がイヤホンから流れ続けていることもあった。怪奇現象かよ。
この件はチャットでソニーの相談窓口に問い合わせしたが、「アプリのアップデートは最新か?」(購入して一週間も経ってないしアプリDLしたばかりですけど?)など、手詰まり感あふれる返信しかなく、購入店に修理点検に出してくださいということで話は終わった。
【ノイキャン設定が毎回リセットされる】(不具合?)
もう一件、「これってどうなの?こんな変な仕様なの?」ということがあった。
アプリ側で「ノイズキャンセリング」などの「外音コントロール」を自分仕様に設定しても、イヤホンを外して反対側のイヤホンに付け替えたり、イヤホンを一度本体に戻して再度装着すると、その度に設定がリセットされて腹が立った。
家電量販店の店員さんにこの件を話すと「設定したのにリセットされるってそれはない」とのことで、やはりどこかおかしいらしい。
アプリの問題か製品の問題か分からないが、気分的にもう信用ができない。
ということで、結果として返品する次第となった。
【音量調整】
ソニーのこのイヤホンを買おうと思ったのは、カスタマイズしてイヤホンで音量調整できるように設定できることに魅力を感じたからだった。
だが、結果的に私の使い方ではそれはできなかった。
両耳装着していたら、片側を「再生・停止モード」もう片側を「音量調整モード」で使用できるのだが、片耳装着だと音量しかいじれない仕様となってしまいそれではやはり不便すぎて、結果両耳とも「再生・停止モード」にせざるを得ず、がっかりした。
結局操作ボタンは片側に1つしかないわけで。
AirPods Proとできることは何も変わらなかった。
ていうか、AirPods Proの方が再生モードとノイキャンの設定の2つのことが1つの操作ボタンでできる分、優秀だ。ソニーは再生モードを諦めないとノイキャン設定がイヤホンでできなかった。
「再生」「音量」「ノイキャン」の3つから1つを選択するということ。
両耳で使用する人はこの3つの中から2つ選べるからいいのだろうけどね。
ソニーのこの製品についての事前調査では、ノイキャンが高評価だという印象を受けていた。
正直、ノイキャンの機能について私はあまりよく分かっていなかった。
耳が強い人や若者は周囲の雑音を遮蔽して自分だけの音楽の世界に浸れていいのかもしれないが、私のように疲れが溜まったり寝不足が続くと耳鳴りがする、耳があまり強くない人間にとっては、このイヤホンを着けて心に浮かんだのは、少し大袈裟かもしれないが「恐怖」というワードがしっくりきた。
いや。
怖いのよ。
「外音コントロール」オン+「ノイズキャンセリング」オンにすると、耳穴の圧力が変わってキューッとなってとても装着し続けることができない。
絶対、耳に悪い。
「外音コントロール」オン+「外音取り込み」あり(1−20までレベルが選べる)(なおかつボイスフォーカスのオンオフの設定もあり)にしても耳に違和感がある。
「外音コントロール」オフにすると1番自然に聞こえるが、それでも耳に少しの違和感がある。
これは、人それぞれのイヤホンとの相性の問題なのだろうか?
とにかく、「外音コントロール」設定をどんな状態にしようと耳への違和感がなくなることはなかった。
ソニーを使った後にAirPods Proを使うと、ホッとした。
AirPods Proでノイキャン仕様にしても、多少の時間なら耳にそこまでの違和感なく使うことができる。
私にとっては耳に優しいイヤホンはAirPods Proの方だった。
【バッテリーの持ち】
ソニーは、商品説明にイヤホン100%充電状態で6時間持つと書いてあったが、だいたい毎回3.5−4時間で切れた。片側のみの使用でノイキャンオフ設定で。
最初は「嘘ばっかじゃん!」なんて思ったが、これはイヤホン自体の初期設定のマズさだった。
購入してそのまま使うと「DSEE HX」という設定がオンになっていて、この状態だと充電の持ちがとっても悪い。
そのことに気づいて設定でオフに変えたところ、片側使用で7時間ほど持つようになった。
AirPods Proがだいたい4.5時間くらいしか持たないことを考えると、これはすごいと思う。
【バッテリー残量の確認方法】
ソニーはとにかく確認しづらい。
専用アプリで確認はできるのだけど、一旦ケースに戻してもう一度取り出さないと最新の残量が表示されない。
そして、私は「耳からイヤホンを外すと電源が切れる」仕様に設定していたので、残量確認のために本体に一旦戻し取り出しただけでは確認できないから、もう一度耳に装着して電源を入れないと残量表示がされないというとても面倒くさくストレスの溜まるものだった。
対して、AirPods Pro。
こちらも、確認にストレスがまあある。
iPhoneを開いた状態で、近くでイヤホンの本体のフタを開けると画面に残量が表示される仕様なのだが、両耳が本体に戻っていないと表示されないようで、残量確認したいだけなのに耳から外してケースに戻さないといけない。
他の人がどれくらいの頻度で残量確認しているのか知らないが、私はできれば本体残り10%くらいの良い感じのギリギリ状態で充電したいしイヤホンも10 %を切る直前(←残念なお知らせ音のなる前)に充電したいので、もう少し気軽に確認できたらいいのにと思ってしまう。
【イヤホンの装着感・操作性】
イヤホンの装着に関しては、ソニーの方が「耳に付いてる」感がハンパない。
重量比で、AirPods Proが片側5.4gに対してソニーは8.5gだ。
どちらも、イヤーチップの大きさを適度なサイズに選択すれば普通に歩いているだけで耳から落ちることはないが、AirPods Proの方が着けていることを忘れる。
ソニーは「着いてる感」半端ない。
そして、気になるからたまに手でグリグリと耳に押し込んでみたりする。
AirPods Proは耳元の操作が「ペコッ」と感触があるまで押さないと反応しないのに対し、ソニーは「スッ」とイヤホンに触れるだけで音楽が止まったり反応するので、耳にイヤホンを押し込んだりマスクの耳かけ部分を直したり耳元の髪の毛を触るたびに、イヤホンに触れてしまい音が止まってストレスだった。
あと、AirPods Proを着けたまま着替えると、Tシャツを脱いだ時などは確実に落ちる。着けているのを忘れる分、落としやすいから要注意。
ソニーもTシャツを脱ぐときは落としやすいが、AirPods Proのように確実に引っかかるとまではいかない。
【外観】
AirPods Proを初めて見たときの感想は「小さい」「美しい」だった。
それに対し、ソニーを初めて見たときは「ゴツい」「でかい」だった。
ケースが美しくない。
ゴツくてかさばる。
持ち歩くときに「荷物」感がある。
ちなみに、ケース(本体)重量は、AirPods Proは45.6g、ソニーは75gで、圧倒的にAirPods Proの方が軽い。
【ケースからの取り出しやすさ】
これはまあどちらも取り出しにくい。
でも、AirPods Proの方が慣れたらそれほどの難はなくなる。
ソニーはゴツい分「よいしょ」という感じで一生懸命つまんで取り出さないといけない。
どちらも慣れかな、とは思うが。
【その他】
AirPods Proの嫌な点は、「使用中充電残量が少なくなるととっても残念な、テンションが下がる音でお知らせしてくる」ということだ。
本当に、あの音はテンションが下がる。
「アラララ…」
「残念でした…」
「もうすぐ力尽きますよ…」
とでも言われているかのような残念具合。
昔遊んだスーパーマリオで、マリオが溝に落ちたりクリボーに触ってしまった時のような音。
テンションだだ下がり。
ソニーの良いところは、AWAでプチプチ音がしないということか。
それは、多分AWAアプリ側の問題なんだろうけど、何とか改善してほしい。
でも、最近はAirPods Proでもたまにマシだったり慣れてきたせいかあまり気にならないことも多くなってきた。(それでもまあ気になるが我慢している)
【まとめ】
AirPods Proの良い点
・イヤホンが小さくて軽い。
・ケースも小さくて軽い。
・片側装着で「再生停止」と「ノイズキャンセリング」二つの操作が可能。
・ケースもイヤホンも美しい。
・ノイキャンが耳に優しい感じがする。
ソニーWF-1000XM3の良い点
・充電の持ちが良い(AirPods Proの倍近い?)。
・ノイズキャンセリングがすごい。
・AWAでプチプチ言わない。
・黒色を選択できるからパッと見めだたない。
・両耳使用の場合、片側を「再生・停止モード」片側を「音量調整モード」にカスタマイズで設定できて便利。
AirPods Proの悪い点
・AWAアプリで音がプチプチ言う。
・イヤホンの充電残量が少なくなるととてもテンションの下がる残念な音でお知らせしてくる。
・充電残量の確認をするには両耳ともケースに戻さないといけない。
ソニーWF-1000XM3の悪い点
・イヤホンがデカくて着けてる感がすごい。
・ケースがデカくてかさばる。
・片側使用だと「再生停止」モードしか実際上選択できない。
・アプリの設定でノイキャンを自分好みに変更しても、イヤホンをケースに戻すと毎回リセットされて設定しなおさないといけない(自分が買ったイヤホン側の不具合かも)。
・ノイズキャンセリングがすごくて耳の圧迫感がすごくて恐怖を感じノイキャンのまま着けていられない。
・ノイキャンオフ設定にしても耳への圧力を感じて違和感がある。
・充電残量の確認をするときには両耳ともケースに戻し、なおかつ再度イヤホンの電源を入れないといけないので「イヤホンを外したら電源が自動オフ」になる設定にしている場合、両耳のイヤホンをケースに戻して再度取り出して尚且つ耳に装着して電源オン状態にしないと残量確認ができないのでとても面倒くさい。
【結論】
AWAアプリ愛用者の私としては、AirPods Proは最適解ではないというのは以前から変わりがない。
だが、ソニーWF-1000XM3はAWAで異音は入らないがそれ以前にノイズキャンセリングが効きすぎていて耳の圧迫感がすごくてノイズキャンセリング機能は使えなかったし、ノイズキャンセリングオフでも耳の中の圧力がすごくて違和感があり長時間使うのはキツかった。
今回、ソニーのイヤホンはおそらく初期不良品と思われる症状があったためそのまま返品することになったが(お試しで一週間ほどしか使用していない割にはレビューが細かいのは、AWAを快適に使うために何とかソニーのイヤホンを返品交換という形で今後も使用できないかと模索しつつ長時間使用した結果である)、あらかじめ店頭で視聴できる機会があればやはり実際に耳につけてみた方がいい。
私としてはAWAがAirPods Proでも異音なく快適に使えるようになれば他の製品の購入を考えることもないのだけど、なかなか現状が打破されない為今後も他のワイヤレスイヤホンの購入を検討していくことになると思う。
今回のことで分かったのは、世間のレビュー評価が良くても自分の耳に合うかどうかは実際にイヤホンを使ってみないと何とも言えないということだ。
最近は、AirPods Proが私の片耳に標準装備状態になっている。
それくらいAirPods Proは軽くてコンパクトで、着けていることをたまに忘れるくらいだ。
AWAでプチプチ言わなければ…それさえなければ何も迷うことがないのに残念だ。